1. 障がい者の就職の確率
障がい者雇用のリアルな現状
【健常者の就職状況】
労働人数
68,680,000人
就職者数
66,670,000人
97%が就職
【障がい者の就職状況】
障がい者数
9,635,000人
労働人数
3,650,000人
就職者数
643,708人
17.6%が就職
【一般求人の状況】
求人件数(全国)
1,165,749件
求人件数(宮崎)
15,131件
【障がい者雇用の求人状況】
就職できていない障がい者は、3,000,000人。
求人件数(全国)
17,196件/3,000,000人
=約150倍
求人件数(宮崎)
135件
就職できるのは150人に1人
2.就労移行支援ってなんだ?
障がい者雇用の公的支援



障害者総合支援法
障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活、または社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援やその他の支援を総合的に行います。
これによって、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的にしています。
対象になる障害の範囲は、身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害者を含む)、政令で定める難病等により障害がある者で18歳以上のものです。
利用については、市町村の障害福祉窓口や都道府県が指定する指定相談支援事業者などへの相談が必要です。
障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスには、「就労移行支援」「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」「就労定着支援」の4種類のサービスがあります。
就労支援の種類
- 就労移行支援
- 就労定着支援
- 就労継続支援(A型・B型)
就労移行支援
一般企業への就職を希望する障害のある方へ向けて、必要な能力や知識を得るための福祉サービスです。
就職後も原則6か月間就労移行支援事業所からの定着支援が受けられます。
6ヶ月経過以後は「就労定着支援事業所」と契約して、最大3年間の定着支援を受けることができます。
就労定着支援
就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)などを利用して、一般企業などに就職した方へ向けて働き続けるためのサポートを行う障害福祉サービスです。
利用者の日常生活や会社での問題について相談に乗り、解決するためのアドバイスを行ったり、企業と連携して働く環境を整えることなどを行います。
サービスは就職後6ヶ月以降の方が対象となり、利用期間は3年間です。
就労継続支援(A型・B型)
すぐに一般企業に就労するのが困難な状況の方に対して就労や生産活動の機会を提供し、能力や知識の向上を計ります。
就労継続支援には「A型」・「B型」の2種類があります。
どちらも利用期間に定めはありません。
就労継続支援A型
雇用型とも呼ばれ、原則的に利用者は事業所と雇用契約を結びます。
そのため、労働基準法や最低賃金が適用され、「給料」が支払われます。
その中で、働く機会の提供や一般企業への就職へ向けた支援を行っていきます。
就労継続支援B型
非雇用型と呼ばれ、利用者は事業所と雇用契約は結びません。
給料の代わりに、作業に応じた「工賃」が支払われます。
就労移行支援やA型への移行、一般企業への就労に向けた訓練を行います。
就労移行支援 就労継続支援 就労定着支援
就労移行支援でできること 一般就労への近道!
障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス
種類 | 対象者 | 事業者数 | 利用者数 |
---|---|---|---|
就労移行支援 | ①企業等への就労を希望する者 ※平成30年4月から、65歳以上の者も要件を満たせば利用可能。 | 3,006事業所 (国保連データ令和3年1月) | 34,645人 (国保連データ令和3年1月) |
就労継続支援A型 | ① 移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者 ② 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者 ③ 就労経験のある者で、現に雇用関係の状態にない者 ※平成30年4月から、65歳以上の者も要件を満たせば利用可能。 | 3,922事業所 (国保連データ令和3年1月) | 75,571人 (国保連データ令和3年1月) |
就労継続支援B型 | ① 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者 ② 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者 ③ ①及び②に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、 就労面に係る課題等の把握が行われている者 | 13,828事業所 (国保連データ令和3年1月) | 282,409人 (国保連データ令和3年1月) |


5人に1人は就労移行支援を使って
一般就労している!

就労移行支援を利用後、一般就労できた人は
3人に1人(29.3%)
障害福祉サービス事業所について
名称 | サービスの内容 | 対象者 | 利用期間 | 利用料 | 県内の事業者数と定員合計 |
---|---|---|---|---|---|
就労移行支援事業所 | 障害者総合支援法上のサービス。 一般就労に向けた、訓練(実習)・求職支援・職場定着支援(6か月間)等の一貫した支援 | 一般就労を希望する者で、本サービスの利用により一般就労が見込まれる障がい者(65歳未満) | 1年間 (1年で更新し原則2年間) | サービス提供に係る費用の1割 | 県内62か所642名 |
就労継続支援(A型)事業所 | 障害者総合支援法上のサービス。 雇用契約を締結した上での就労の機会の提供・生産活動の機会の提供及び能力の向上のために必要な訓練 | 企業等に雇用されることが困難であって、当該サービス提供事業所において雇用契約に基づく就労が可能である者 | 制限なし | サービス提供に係る費用の1割 | 県内52か所875名 |
就労継続支援(B型)事業所 | 障害者総合支援法上のサービス。 就労の機会の提供・生産活動の機会の提供及び能力の向上のために必要な訓練 | 企業等に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者 | 制限なし | サービス提供に係る費用の1割 | 県内132か所2,585名 |

出典:宮崎市HPより
就労移行支援事業所 宮崎県内 62ヶ所 定員642名
Blue Oceanを卒業して、一般就労した人は
「10人中9人以上」!(92.8%)
なぜ、高い一般就労率なのか?
企業等への一般就労を希望する障がいのある方に対して、就職するための準備訓練などを行い、知識・能力の向上・実習・職場探し等を通じて、適性に合った職場への就労につなげる事業所です。

- 仕事に必要なマナーや面接練習などのビジネスマナー
- HTMLやCSSなどのWeb作成などのプログラミングなどのITスキル
- タイピング・Word・Excel・PowerPointなどの仕事に必要なOfficeスキル
- 飲食業などの接客訓練や調理などの訓練
- ストレスや感情のセルフコントロール
ITスキルを身に着けたことで
職域が広がった!
20代男性
目標や課題分析・スキルアップを行い就職
利用前

・自分に合う仕事を知りたい
・得意分野であるパソコン全般のスキルを伸ばしたい
→目標:デザインや動画等の仕事
・課題1:動画編集に必要なPCスキルを習得し、デザインセンスを磨く。
・課題2:働き方に制限が出る
訓練内容
・PCスキルアップ
IT力
→Illustrator・動画編集
・ビジネススキル
→職場実習を通じ、就労時間を想定して歩数を確認。
課題を克服。
・自己分析
ソーシャルスキル
→体力面での不安・疲労度を把握
現在:A社入社
(動画クリエイター職)
動画クリエイターとして就職

約1年9ヶ月で就職!
20代女性
苦手や不安を克服して就職
利用前

・オフィスソフトを使いこなせるか不安
・人に質問することが苦手
・自己理解が行えていない
訓練内容
・MOS資格取得
IT力
→エクセルを再学習し、資格取得。
不安解消。
・質問する練習
ビジネススキル
→質問方法や内容などを検討・実施
・自己分析
ソーシャルスキル
→得意・不得意の把握
現在:B社入社
(事務職)
・書類への押印業務
・メール問合せ対応
・その他オフィスソフトを使用しての事務業務

約8ヶ月で就職!
40代男性
スキル分析を活かしてスピード就職
利用前

・オフィスソフトを独学で学習中
・自分の特性を上手く相手に伝えられない
・自分に対して自信が無い
訓練内容
・MOS資格取得
IT力
→課題を明確にし学習
・ビジネススキル
→特性を文章でまとめ、日々の訓練の中で発表練習
・自己分析
ソーシャルスキル
→習得スキルや得意なことを把握
現在:C社入社
(事務職)
・書類作成
・ファイリング
・データ入力

約6ヶ月で就職!
50代男性
体調を整え、資格を活かして就職
利用前

・体調管理が上手くできない
・PCスキルを上げて就職の幅を広げたい
・資格を活かしたい
訓練内容
・オフィスソフト・タイピングの学習
IT力
・資格が活かせる企業での職場実習
ビジネススキル
・病院との連携
ソーシャルスキル
→体調変化を捉える
現在:D社入社
(福祉・介護職)
・食事・入浴介助
・レクリエーション
・介護記録作成

約1年2ヶ月で就職!

まとめ
- 就労支援は就労移行支援、就労定着支援、就労継続支援の3つ。
- 就労移行支援や継続支援制度を利用して、就職や働く場所を見つけている人も大幅増加。
- 一般就労を目指すには、就労移行支援を利用した方が良い確率となる。
- 就労移行支援事業所選びは、就職移行率など実績を見るのが大事。