日本の障がい者雇用の将来像は?

 

先日、私の友人が外資系企業の翻訳の仕事に就くことが決まりました。

彼女には発達障害があり、障害のある方と日常的に関わりの多い私からも、コミュニケーション面でちぐはぐな部分が多い彼女。

「自分の強みを活かした仕事に就く!」と心に決め、応募書類を出した企業は100社越え。日々感情の浮き沈みの激しい彼女を見ていると、「もう少し希望のレベルを下げれば、就職口はあるのにな。」「現実を見て少しレベルを下げて、障害への配慮がある企業に行った方が、いいのでは?」

そんなことを彼女の機嫌を損ねないように話を重ねていました。(実際には何度も機嫌を損ねましたが。。)

彼女はその度、口をへの字にして、思いっきり戦闘モードでくるのです。

ところがです。

そんな彼女が、念願の翻訳の専門職に就いたのです。

それも、日本では想定できないような好条件での就職です。

「本当の現実が見えていなかったのは私の方だった」と反省すると同時に、とても嬉しい出来事でした。

日本ではとかく、発達障害があっても、企業が戸惑わない程度のコミュニケーション力を求められますが、「仕事はあくまで実力で評価するべき」という外資系のシンプルなスタイルが読み取れます。また外資系なかでも通信社は、思考的にややクリティカルな人に適性があるそうで職業適性の観点からも彼女の特性と上手くマッチしたようです。

これからも彼女の身にはいろんな困難が立ちはだかると思いますが、七転八倒しながら、歯を食いしばって、それを乗り越えていく彼女のこれからと共に生きられるのが楽しみで仕方ありません。

発達障害や精神障害だからといって一概に単調な仕事、変化の少ない仕事、負荷の少ない仕事を望むわけではなく、彼女のように、社会で実力を思い切り試したい人もいます。

人工知能が発達する昨今、障害のある方が企業で生き抜くためには、企業が困らないだけのコミュニケーションスキルを身につけることや、言われたことをそのままできるようになる能力を育てる支援ではなく、やりたいことを素直に「やりたい!」と言え、そのためのスキルを自ら開拓できるエネルギーを当事者に与えるのが支援者の本来の役割なのではないかと感じました。

その人それぞれの能力を活かせる企業と、必要な能力を磨くために日々努力を積み重ねる障がい者、そうなるために勇気を与える支援者。この3つの循環が日本に多く生まれると、障がい者雇用の世界は、暗い印象のものではなくなっていくよう感じました。

終わりに、彼女からのメッセージです。

「私がご縁あった企業では、車椅子の人が面接をしたり、発達障害や全盲の人が専門職に就いて、肩肘張らず自然体で、納得いく収入を得ていました。これがダイバーシティ&インクルージョンだと感じました。日本企業では、そのような環境を実現するのは無理でしょうか。
「大変な人だからまず配慮を」で進めるより、能力ベースで当事者を見たものになると、より障がい者雇用の展望は明るくなるかなと思いました。」

 

そんな環境を多く実現させるために、ボラシェアも日々邁進していきたいと気持ちを新たにする出来事でした。